シャグとは?手巻きタバコの仕組みと、最初に揃える4つの道具
シャグは自分で巻くための刻みタバコ。1本にどれくらい使うか、初めて買うなら何を選ぶか、逆に買わなくていい物は何か。日本での値段と買える場所も。
まず結論から。シャグというのは、バラの刻みタバコのことです。タバコは、それを使って自分で作ります。
パウチか缶に入って売られていて、25g、30g、50gあたりが定番です。
タバコのほかに、ペーパーとフィルターが要ります。あともう2つほど。それは下で。

本当に難しい?
外から見ると、マニアの趣味っぽく見えますよね。ペーパーにフィルターにローラー、しかも手で何か巻かなきゃいけない。正直、うちも最初はそう思って、ずいぶん先延ばしにしていました。
実際は、1本目は曲がって、10本目にはもう普通で、1週間もすれば見ないで巻けるようになります。事前に巻き溜めもしません。歩きながらでも1本作れるので、感覚としては箱から1本抜くのと変わらないんです。
手巻きに切り替えて、もうすぐ1年。戻る気はありません。理由は2つあって、どちらも初日から分かります。
1つ目はお金。600円の箱で20本。同じ600円をシャグに使うと、太めのフルサイズで30本、イギリスでrolliesと呼ばれる細いのなら53本です。初期費用も安い。ペーパーとフィルターは100円か200円台、ローラーはタバコ1箱分の値段で、しかも一回きり。
2つ目は味。コンビニにあるのは、コンビニに入荷したものだけ。シャグには、チョコ、紅茶、ラム、りんご、無添加のピュアなバージニアまで揃っていて、しかも試すのに1箱より安く済みます。さらに混ぜられる。強いのにバージニアを足して角を取ったり、無添加にフレーバー付きを少し混ぜたり。誰も売っていない、自分だけの味ができます。
ニッチなのは一点だけ。ちゃんと書いている人がほとんどいないこと。やっていること自体はごく普通です。
このページは、シャグに関する記事の入口です。基本と、最初に必要な数字だけをまとめました。各テーマには個別の記事があるので、本文中のリンクからどうぞ。
シャグって何?
言葉は英語のshagから来ています。細かく刻んだタバコのことで、日本語ではそのまま「シャグ」。
中の葉っぱは普通のタバコと同じ。違うのは刻み方と湿り気です。
刻み方。 繊維の幅はたいてい0.6〜1mm。細いほどペーパーの中で密に収まり、燃えるのも速くなります。一番細くて長い刻みはangel hairと呼ばれます。逆に粗い刻み、loose cutもあって、ヨーロッパの一部の銘柄が有名です。手で巻くのは大変で、向こうでは大袋でチューブ詰め機用に売られている。そこから「チューブ用」というイメージがついたんですが、普通のシャグも同じようにちゃんと詰まります。
湿り気。 シャグは市販のタバコの中身よりかなり湿っていますが、銘柄によって差があります。乾き気味で届くこともあれば、ほぼ生っぽいこともある。乾いていると巻けません。折れて、こぼれて、茎がペーパーを破ります。

湿り具合は道具なしで、手で確かめられます。ひとつまみ握って、開いてみてください。
- 固まって、ゆっくり崩れる。ちょうどいい湿り気です。
- すぐ散って、カサカサ音がする。乾きすぎ。
- 固まったまま指にくっつく。湿りすぎで、火が消えやすく、苦くなります。
普通のタバコより何がいい?
タバコを別に買って、1本ずつ自分で作る。安いのは、バラのタバコが本数ではなく重さで課税されるから。ただ、増税で差は縮まってきています。最新の数字はグラム単価の記事で。
でも、お金だけの話じゃありません。市販のタバコはコストに合わせて設計されています。葉脈、切れ端、粉を砕いて、つなぎと混ぜて、本物の葉のように刻む。大衆銘柄にはこの再生タバコがかなりの割合で入っていて、残りの一部も、葉を少なくかさを多くするためにガスで膨らませてあります。


シャグのパウチに入っているのは刻んだ葉そのもの。無添加の銘柄は、パウチのadditive freeの表記か、値札の「無添加」で探せます。それでシャグ全部が自然派になるわけではなくて、フレーバー付きには添加物がちゃんと入っていますし、無添加の紙巻きタバコもあります。違うのは選択肢の数。紙巻きは棚に1〜2銘柄、シャグは棚ひとつ分あります。
あとは細かい嬉しさ。開けたパウチは1週間かけて乾いていくけど、巻くのは1本ずつ。長さも強さも自分で決められる。銘柄を混ぜることもできる。体に良くなるわけではありません。タールとニコチンについては別記事で。
コンビニで箱を買うより楽になることは、ありません。巻く、湿度を気にする、持ち歩く。面倒だと思う人もいるし、平気な人もいる。面倒くさくて1日の本数が減る、というのはよくある話です。でも、いいところは最初の1本から分かります。試してみれば、きっと分かりますよ。
RYOとMYOは別物?
別の2つのやり方で、必要な道具もそれぞれ違います。
RYO(roll your own)。ペーパーにタバコを載せて、手かローラーで巻く。日本で言う手巻きタバコです。
MYO(make your own)。フィルター付きの空のチューブにタバコを詰める。専用のマシンを使って、この作業をチュービング(英語ではinjecting)と呼びます。

チューブ詰めのほうが簡単で、長くて密度の高い1本になります。100mmのスーパーキングサイズまで作れる。しかも安上がり。チューブはたいていペーパーとフィルターを別々に買うより安く、マシンもローラーよりちょっと高いだけです。手巻きの強みは自由度。長さも太さも毎回変えられて、8mmフィルターならチューブより少し短いだけで、詰まり具合は負けません。
それでも始めるならRYOのほうが楽です。チューブ詰めが許してくれないことを、手巻きは許してくれる。パウチが思ったより湿っていた場合、6mmフィルターの細い手巻きならよく燃えるのに、チューブに詰めると全然火がつかない。詰めに移るのは、好みが固まってからで十分です。
マシンとチューブについては別の記事があります。
最初に買うものは?

| 何を | 何のため | 最初の1つ | 値段 |
|---|---|---|---|
| タバコ | シャグそのもの | RAW Original Green、30g | 1,090円 |
| ペーパー | これに巻く | Smoking Master Silver、70mm | 110〜160円 |
| フィルター | 形を保って、タールを少し受け止める | Smoking 6mm Long | 300〜440円 |
| ローラー | まっすぐな1本を作る | OCB Bamboo、70mm | 500〜800円 |
上の3つは消耗品。ローラーは一度買えば何年も使えます。
タバコの値段だけがきっちり書いてあって、ほかは幅があるのは、いい加減だからではありません。日本のタバコの小売価格は財務大臣の認可制で、どこで買っても同じ。ペーパー、フィルター、ローラーは店によって値段が違います。
最初に決めるのはタバコ。ほかはそれに合わせます。銘柄は多くて、味も甘いフレーバー付きから無添加の強いものまでバラバラ。初回は、嫌にならないように基本的で軽めのものを選んでください。うちのおすすめは2つのうちどちらか。Camel Light、おなじみのアメリカンブレンドで25g 770円。それかRAW Original Green、フレーバーなしの穏やかなオーガニックで、うちが最初に吸ったのもこれです。表と写真に載せたのは後者。その先は好きにどうぞ。6つの観点で銘柄を比較した記事と、ラベルの言葉の意味があります。

ペーパーは、まずパウチの中を見てください。たばこ屋で買える銘柄のほとんどは、ペーパーの小冊子が無料で中に入っています。別に買うなら70mm。基本のサイズで、ほぼすべてのローラーがこれに合わせてあります。
※ 初回の小技。 ペーパーは最初のレジで一緒に買わなくて大丈夫。まずはタバコ、フィルター、ローラーだけ買ってください。そして店を出たところで、その場でパウチを開けて、中に入っている無料のペーパーを見てみる。Smoking Masterのように薄ければ(Doraも自社の薄いペーパーを入れています)、予備としてSmoking GreenかRedのような厚めのものを。逆にSmoking Green/Redのように厚ければ(Colts(コルツ)やMac Barenも自社の厚めのものを入れています)、薄いものを。Smoking Master、Smoking Blue、Zig-Zag Blueあたりです。分かったらそのまま店に戻って買い足せばいいので、出直す必要はありません。こうすると両方をすぐ試せて、どっちが味として好きか、どっちが手で巻きやすいかが分かります。ローラーだと薄いか厚いかの差はほとんど感じませんが、手巻きだとすぐ分かりますよ。
フィルターで大事なのは太さだけ。6mmは湿ったタバコにも寛容。ローラーで巻くならうちは8mm派で、市販のタバコに近くなりますが、湿った葉だと重くなります。詳しくはペーパーの記事とフィルターの記事で。
※ 初回の買い物で一番多いミスは、ローラーとフィルターのサイズが合っていないこと。太さはフィルターの袋に書いてあります。店にいるうちにローラーと照らし合わせてください。
ローラーは4つのうち唯一、一度きりの買い物。手でも巻けますが、最初からきれいにはいきません。ローラーは安くて、1回目からちゃんとした1本ができる。70mm用の手動のものを選んでください。キングサイズ用は別物で、互換性はありません。種類についてはローラーの記事で。

逆に、最初のうちは買わないほうがいいもの。
- 電動マシン。 自分の好きな詰まり具合が分かる前だと、合わないかもしれない同じ1本を量産するだけです。
- 高いタバコポーチ。 湿気を守る力は100円のブリキ缶と変わりません。そもそも使っていない人も多い。
- 強くフレーバーの付いたシャグを最初に。 チョコやチェリーは葉の味を消してしまって、その後に銘柄を比べられなくなります。
- ヒュミドール。 30gには大げさすぎ。しっかり閉まる袋で十分です。
最初の1本を巻くには?
一番簡単なのはローラー。500〜800円の道具で、代わりに巻いてくれます。うちが毎日使っているのもこれです。
- フィルターをローラーの片端に。 ベルトの端に揃えます。
- タバコを全長に均等に。 70mmの普通の1本で約0.4g、キングサイズのチューブなら0.7gほど。フィルター側は少し密に。そこが形を支えます。
- 閉じて、ローラーを手前に2〜3回転。 それ以上は要りません。巻きすぎた1本は、吸えないくらい重くなります。
- ペーパーの糊面を手前にして差し込み、糊を湿らせて、最後まで回す。 ベルトが勝手に紙を引き込んで、継ぎ目を閉じてくれます。
※ ローラーは3つの方法のうちの1つ。あとの2つ、手巻きとチューブ詰めは、「手巻きタバコの巻き方」の記事で手順ごとに写真付きで解説しています。失敗したときに何が起きているかも。
手でも巻けますし、そうしている人も多いです。ただコツが要る。最初の10本くらいは曲がりますが、それが普通で、ひと晩で手が慣れます。うちはもう1年巻いていますが、それでもローラーを使います。まっすぐで、はっきり速いので。
次は?
シャグについて、すぐ必要になることが2つあります。
どこで買うか。 コンビニにシャグはほぼありません。回っても無駄です。売っているのは専門のたばこ屋さん。大都市のドン・キホーテにもありますが、品揃えは劣ります。→ 日本でシャグを買える場所
どう保管するか。 乾燥は最初の1か月で一番困ること。やることは1つ、乾かさないだけ。元のパッケージがちゃんと仕事をしてくれます。特にジップ付きなら。閉まりが悪ければ、パウチごと缶か密閉容器に。100均にちょうどいい容器があります。布のポーチは保管とは無関係で、持ち歩き用です。それでも乾くなら、たばこ屋で保湿ストーンが売っています。→ 湿度と保管
慣れてきたら、ほかにもこんな記事があります。
- パイプとキセルでシャグ。ペーパーもフィルターも使わない吸い方。
- シャグは普通のタバコより害が少ない?。タールとニコチンについて分かっていること。
- 銘柄のブレンド。配合と、実際に使えるレシピ。
- 生産終了した銘柄の代わり。Domingo、Violin、American Spirit。
シリーズの記事は全部でこれだけあります。順番はどこからでも大丈夫です。
始め方と道具 巻き方・ローラーとマシン・ペーパー・フィルター
銘柄と値段 グラム単価・おいしいシャグ・葉の種類と味・ブレンド・生産終了した銘柄
買う場所と保管 シャグの買える場所・保管と湿り気・ポーチとケース
一覧ページにもまとめてあります → シャグ(手巻きタバコ)シリーズ
よくある質問
普通の紙巻きタバコと同じ葉っぱ?
葉っぱは同じで、刻み方と湿り気が違います。シャグは0.6〜1mmの細い繊維に刻んで、手で巻けるように少し湿った状態のまま売られています。この細く長い刻みを、angel hairと呼ぶこともあります。
1本にどれくらいタバコを使う?
普通の手巻き(70mmペーパー、6mmフィルター)で約0.4g。30gのパウチから75本くらいです。キングサイズのチューブに8mmフィルターで詰めるなら0.7gほど使うので、同じパウチで42本くらいになります。
フィルターの太さはどれを選ぶ?
6mmが標準で、ほとんどのローラーはこれに合わせて作られています。8mmだと市販のタバコに近い太さになりますが、タバコの消費も増えます。ウルトラスリムの5.3mmは葉の消費をかなり抑えられます。大事なのは、買う前にローラーと太さを合わせること。初回で一番多いミスがここです。
フィルターなしでもいい?
いいですよ。そうやって吸う人も多いです。ただ煙が熱くなり、タールも多めに入って、葉のかけらが口に入ります。フィルターなしでいくなら、厚紙を細く巻いて代わりに差し込んでください。少なくとも最後の問題は解決します。
始めるのにいくらかかる?
最初のタバコを含めて1,700〜2,500円。差はほぼタバコの銘柄の違いです。一度きりの買い物はローラーの500〜800円だけで、これは何年も使えます。ペーパーは1冊で50〜60本、フィルターは1袋で100〜200本分なので、1本あたりの消耗品はだいたい5円くらいです。